2008年8・11月度セミナーseminar
食品関連企業として、組織的に製品の安全を確保するためには、いくつかのキーワードがあります。そこで、その中でも特に食品企業様が関心を持たれているキーワードを選び、取り上げました。
- キーワード1「基準」 安全や衛生を保証するために、どこまで必要と考えるべきなのかを決めることは、非常に重要であり、かつ何を基準に決めるべきか非常に判断が難しいところでもあります。
- キーワード2「虫」 数多くの防虫手法が知られていますが、どの手法をどのタイミングで選択するべきか、殺虫剤のような諸刃の剣をどのように取り扱うべきか、情報と条件が多いだけに判断が難しくなっています。
- キーワード3「表示」 表示義務違反による製品の自主回収が非常に多くなっています。関連法規の解釈が難しいこと、情報収集の手段が知られていないことが原因で、社内ルール作りが非常に重要となっています。
- キーワード4「躾」 普段現場で従事している従業員の意識が、最終的に現場の衛生度や製品の安全度を左右すると言われています。その意識の向上・維持を担う最も重要な活動が「躾」です。
開催日:2008年8月5日(火)/ 2008年8月6日(水) / 2008年11月6日(木)
会場:岡山、京都、東京
受講者の声
セミナー後にお客様からいただきましたご意見・ご感想の一部を紹介いたします。
- AIB導入工場における具体的な指摘内容の紹介があり、分かりやすかった。
- 清掃方法の注意点、洗浄殺菌・清掃方法が分かりやすく、参考になった。
- データを踏まえた防虫体制の再構築の必要性を感じた。
- 表示事故を起こさないための分かりやすい説明や具体例がよかった。
- 7Sが会社全体、業績、雰囲気に影響していることが勉強になった。
- 食品衛生7Sについて、およびその定義が全員の意識改革であることがよく分かった。
- 現場担当のため、最終製品表示の勉強になった。
- 全ての基本が5Sであることを再認識した。
- 調査に基づいてデータ等が分かりやすく表示されていて勉強になった。
- 表示事故を発生させないための体制整備が分かりやすかった。
講演内容
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■講演1■ AIB統合基準を利用した社内基準づくり
AIB統合基準は、異物混入防止の上で実効性が高いと言われ、最近では導入企業が増加していますが、その最も大きな理由は、独自の明確な基準と現場主義にあるといえます。数々の食品企業においてAIBシステムのサポートを行ってきた経験に基づいて、本講演ではその基準の捉え方と、実際に導入を行った企業の具体的な対応を紹介しました。またそのことにより、食品メーカーとして何を準備するべきなのか、特に重要な「清掃」と「メンテナンス」はどのように構築すればよいのかを、豊富な事例を基に解説いたしました。
■講師■
東洋産業株式会社 小谷 哲也 -
■講演2■ 虫の混入防止体制づくり
依然として「虫」は混入異物の中で高い割合を占めています。食品メーカーでは20年以上前から総合的防除手法(IPM)が導入されはじめ、現在では広く普及していますが、現行採用している手段が最善のものかどうか、不安を持たれている企業が多いのも現状です。1980年頃から国内で最も早くから手がけ、これまでに医薬品、食品工場等多数の現場での虫や微生物防除を実践してきた演者の経験に基づいて、管理法の中でも間違った解釈をされやすいポイント、その最新の形態、正しい殺虫剤の利用法などを紹介することで、効率よく、効果的かつ安全に虫の危害を防ぐ方法について解説しました。
■講師■
東洋産業株式会社 羽原 政明 / 三藤 文章 -
■講演3■ 食品の表示事故防止体制づくり
製品の自主回収の原因として、表示ミスが大きなウェイトを占めていますが、その多くは知識さえあれば防ぐことが出来るものです。主任調査官として現場で食品表示指導を行ってきた豊富な経験に基づいて、食品の表示ミスを防ぐために知っておかなければならないポイント、間違えやすいポイント、必要な情報を収集する方法、事故を起こさないための体制づくりについて解説いただきました。
■講師■
マトハヤ・フーズコンタクト株式会社 的早 剛由氏 -
■講演4■ 食品衛生7Sを利用した従業員の意識づくり
衛生管理の基本は、間違いなく食品衛生7Sにあり、中でも特に大切なのは従業員に対する「躾」です。圧倒的多数の食品メーカーに実際的な食品衛生7Sの提案、指導をおこなってきた経験に基づいて、本講演では食品衛生7Sが構築された事例を数多く紹介します。そして、その内容を分析することで、どうすれば「躾」が効果を発揮し、食品衛生7S意識が普及し、その効果としてどの程度のものが期待できるのかを、具体的に解説いただきました。
■講師■
株式会社角野品質管理研究所 角野 久史氏