2018年5・6月度セミナーseminar
虫やネズミといった動物由来の製品異物は、微生物や化学物質による食中毒のような危害にはつながらないものの、混入した際のインパクトの大きさ、またそれ自体が工場に生息していることのイメージの悪さから、今や重大な危害の一つとなりました。一方で、それを抑制するための殺虫剤の使用は、化学物質リスクの観点から、敬遠される傾向が強くなっています。
これらの状況から、今や防虫は専門家の支援を受けながら工場が主導で行うものとなり、防虫技術は、工場の従業員がモノづくりと合わせて身につけなければならないスキルの一つとなっていると言えます。
そこで、異物としての虫の特性を踏まえ、製造現場で身に着けるべき防虫技術についてお伝えする機会をつくりました。
開催日:2018年5月24日(木)/2018年5月28日(月)/2018年6月5日(火)
会場:東京、広島、大阪
受講者の声
セミナー後にお客様からいただきましたご意見・ご感想の一部を紹介いたします。
- 解決プロセスが汎用的で虫トラブル以外にも役立ちそうだった。
- 混入原因を突き止めるために必要なことが学べた。
- 業者まかせにしない、担当任せにしない、反省半分、共感しました。
- 具体例が多く、毛髪の話もあって異物対策への意識が上がった。
- 従業員の防虫意識UPが課題だったので、具体的な事例を知れて、良かったです。
- 話に臨場感があり、わかりやすい。新しい着眼点をもつことができた。
- 洗浄しにくい部分の効果的な清掃方法を知り参考にしたいと思います。
- お金をかけないというのは、我社でも大きなテーマですので、みんなでアイデアを出し合って、活用していきたい。
- 今後どのように異物混入対策をすべきか悩んでいたので参考になりました。
- 防虫の実務的な内容であり、現在の体制を見直す機会としたい。
講演内容
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■講演1■ 虫由来の異物混入事例、原因と対策
依然として虫の異物混入は多く発生し、製品回収の事例も見られます。一方で、虫の生理・生態はおろか、分類についても未知の部分が多く、虫の種類の特定や混入原因の推定は困難なことも多いのが現状です。
東洋産業㈱では、メーカーから委託された虫異物の分析機関としての長い実績があり、本講演では、発生した虫異物から得られる情報を最大限に活用するテクニックについて、様々な事例や、原因究明に役立つ試験データを用いて紹介しました。■講師■
東洋産業株式会社 大野 竜徳 -
■講演2■ 虫の発生を効果的に防止する清掃とは
清掃活動は、今や重要な生産活動の準備と位置づけられ、衛生的な製品づくりの重要な要素となっています。清掃のスケジュール化、SSOPや実施記録の整備等、今や常識的に行わなければなりません。さらに、清掃活動は、防虫の成果にも直結するため、その適性を高めることは非常に重要であると言えます。 ここでは、防虫清掃の専門家の立場から、清掃を効果的に行うコツや、従業員が行うべき清掃と専門家が行うべき清掃の判断基準などについて、事例を交えて解説しました。
■講師■
セントラルトリニティ株式会社 大橋 宣之 氏 -
■講演3■ 0円でできる防虫対策
防虫対策には様々な方法があります。その中でまず手を付けるべきは、直接的なコストがかからないものでしょう。これらの多くは、工場従業員の知識や意識の不足、諦めに由来する問題の解決であり、衛生活動全般への影響も大きいと言えます。また、これらの対策が進まなければ、コストをかけた対策の有効性も低下します。ここでは、直接経費0円、またはわずかなコストでできる防虫対策とそれがもたらす効果について、事例を中心に紹介しました。
■講師■
東洋産業株式会社 吉田 篤史